いきなりですが、
明日までに新しい英単語20個覚えておいて!
(小学生の場合なら「新しい漢字20個覚えてきて!」でしょうか。)
「はい、わかりました!」ってすぐにできる人は、この記事を読む必要はありません、回れ右!笑
でも、こう思った人はどうでしょう?
「え?何をどうすればいいの?明日はテスト?英単語は日本語の意味だけ?スペルも?選択式?書かされるの?」
(小学生なら)「漢字?読み?それとも書き取り?文章中の穴埋め?熟語は?送り仮名は?」
そして、こんな結論にたどり着きます。
「……とりあえず明日の朝イチでやって、追試にならない程度にしとこうかな。」
…私もよくやってました。なんなら、「え、無理、草w」ってその場で聞かなかったことにしていました(笑)。
何ができたら「覚えた」ことになるのか、言える?
そもそも、「覚えた!」って言える条件ってなんでしょう?少し考えてみましょう。
たとえば、こうです。
「英単語20個覚えたよ!」
じゃあ、単語を言うからその対義語(20個の中にあるもの)を答えてね?
「えーっと、えーっと……あ、思い出した!」
これ、実は「覚えた」にはならないんです。でも、多くの人がこれで「覚えた」と思い込んでいますよね。
「対義語なんて反則だーー!問題が悪いんだっ!!」
そうですね、意地悪ですね。何が意地悪なのでしょうか?
「必要条件」(覚えることの具体的な内容)を設定しよう
「覚える」って言葉は、実は曖昧に使われます。
最初の例もそうですが、「覚える」ことがはっきりしていない上に、「なにを」「いつまでに」「どうすればいい」のか(いわゆる「5W1H」)が全くわかりません。
1対1の対応関係があるから「覚えられる」
じゃあ、少し具体的にしてみましょう。
「明日までに英単語20個の日本語の意味を書けるようにしておくこと。意味は辞書に載っているものであればどれでもOK。英単語10個出すテストにするからね。」
これならどうでしょう?やるべきことがはっきりしていて少し取り組みやすくなるでしょうか。
つまり、
英単語 → 日本語の意味
を対応させ、それを書けるようにすればいいのです。
最初と違うのは、これが「覚える」ことだと内容を具体的に指示されたので、「覚えた」のゴールが見えるのです。つまり、「覚えて」と言われて「覚えた!」と言えるためには、ゴールが必要です。
では、一般的に言われる「覚えた」という「ゴールに到達する」ための必要条件はなんでしょう?そもそもそんなものあるのでしょうか?
※必要条件…最低限これだけは必要”must”だということ。ちなみに、十分条件は「やりすぎ”too much”」と思っておいてください。ちゃんとした定義は高校の数学でやります。
これができれば「覚えた」と言えること。それはね…(以下有料、にはしません笑)
「覚える」のは「再現」すること
料理を作るとき、作る手順を「覚えていないとできない」ですよね。
じゃあ料理を作るってどういうこと?
自分のやり方でもいいし、レシピ本の通りでもいい。
でも、「ラーメン」を作りたいのに、作ってみたら焼肉定食だった。それは「作れてない」ですよね。いや食べますけど笑
つまり、ここでいう「料理を作る」のは、知っているもの(ラーメン)を「再現すること」。
繰り返しますね。「再現すること」。
「再現する」ならそれは、「覚えていないとできない」ですよね。
「覚えていないと再現できない」。
っていうことは!!!
「再現できるようになった」=「覚えた」
これが「覚える」ことの最初のステップです。
でも、ひとつだけ覚えてそれでOK?
ラーメンが塩ラーメンだけで大丈夫?醤油は?豚骨は?二郎系は?笑
「再現すること」を一つ一つ順番に増やしていこう。
頭の中がラーメンになってお腹がすいてきましたが、
一つ一つ順番に
「覚える」のに「あれもこれも」としては、いつまでたっても覚えられません。
どうしても欲張って、「ついでだからこれも覚えておこう」「不安だからこれも」と「覚えること」を勝手に増やしたがるのが人間の性です。
でも悲しいことに、一つの英単語に対して、辞書に載ってる日本語の意味を全部一気に覚えようとすると、まず
時間がかかる。
そりゃそうだ。その上、
本来、いちばん覚えないといけないものの存在感が薄くなって、結果「再現できなくなる」。
つまり、
覚えられなくなる。
なんとも不便ですが、「ラーメン」は「ラーメン」でいいのです。
塩ラーメン〇〇風、塩ラーメン〇〇風、…とたくさん覚えようとすると覚えられないか、そこに時間を取られて他のことが覚えられなくなる。
だから、一つのことに対して一つのことを再現できるようにする。
これが、覚えるときの大原則です。
じゃあ、どうやって覚えることを増やしていくか。
シンプルです。
1対1の「覚えること」「再現できるようになる」を増やしていけばいいだけのことです。
急がば回れ。
一つ一つ、覚えていくことです。
「1つのもの」について「1つのもの」を対応させて、それを再現すること。
これを一つ一つ繰り返していくと、だんだんと近いものが勝手にくっついていきます。人間の脳は近いものを「これとこれは関連性がある」「これとこれはこういう関係だから」と推測する能力を持っています。
それが活きるようになると、飛躍的に「覚えられる量」が増えていきますが、それでもやっていることは「1つのもの」に「1つのこと」を対応させて再現することの積み重ねでしかありません。
覚えるための「細分化」
先ほどの英単語の例でいえば、
「再現できるようにする」ことを、
- 英語 → 日本語(意味を1つ)
- 英語 → 日本語(第二義、第三義がある場合)
- 日本語 → 英語(発音)
- 日本語 → 英語(スペル)
- 英語 → 日本語(文脈の中での意味)
- 英語 → 日本語(活用形や前置詞、熟語)
- 英語 → 日本語(派生語や名詞・副詞形)
- 英語 → 英語(穴埋め問題で書けるか?)
- 日本語 → 英語(英作文で使えるか?)
と、一つ一つ細分化してレベルアップしていくことで、いつの間にか下の方、かなり応用的なところまで「勝手にできる」ようになっていきます。
これが、「覚える」ことの強みです。
最初はやみくもに覚えていたものが、いつの間にか他のことと関連づいて再現できるようになっていっている。そういうものです。
そのために、まず最初に、そしてその先も
一つ一つ、覚えていく
ことを重ねていく必要があります。
でも、これには一つ、重大な欠点があります。
「細分化して覚える」の「細分化」は誰がどうやってやるの?
「細分化の精度」が「覚える」ことの効率化につながる
覚えることって、最終的にはただ一つの意味を対応させるだけじゃないんです。だから、「覚える」って結局どこからどう手を付けて、どれをどうやればいいのかわからず、「なんとなく覚えた」で済ませがちなんですよね。
でも、それだと非効率ですし、結局「覚えたつもり」で終わります。
先ほどの英単語でも、
英語 → 日本語(まず一つの意味)
英語 → 日本語(第二義、第三義がある場合)
日本語 → 英語(発音)
日本語 → 英語(綴り・スペル)
英語 → 日本語(文脈の中での変化。活用形など)
英語 → 日本語(自動詞・他動詞?前置詞は?熟語は?)
英語 → 日本語(副詞形は?名詞形は?派生語は?)
英語 → 英語(英文の中の穴埋めで書ける?)
英語 → 英語(読まれた英文の中で聞き取れる?=ディクテーション)
日本語 → 英語(英作文で使える?=例文暗記も必要になってきますね。)
……
と、どんどんレベルが上がっていっていますよね。
だから、ちゃんと順を追って「細分化された」覚えるべきことが整理されていないと、「何を”what”」「どうやって”how”」「どういうふうに”in what way”」覚えたらいいか分からなくて、「なんとなく覚えたから覚えた!(実際は覚えてない)」になるのです。
確かに、まぁそれを積み重ねまくっていけば、力技で「覚える」ことにはなっているでしょうし、何度もそれを積み重ねていけば、「覚えた」と言える状態になるでしょう。
でも、それって効率悪くないですか?
え、そんな魔法のような「覚える」方法があるんですか?
効率よく「覚える」ために
あります。
多くの生徒がそれを実践して、爆発的な成績の伸びを果たしています。
何も特別なことはしません。特別な「もの」を使うこともありません。長時間を使うこともありません。お金をかけることもありません。
「右脳」がどうとか、「寝る前にやる」とか、そういうものでもありません(間違ってはいないかもしれませんが)。
その方法を知っているか、やれる「土台」があるか、だけです。その「土台」は個人の能力ではありません。
上に書いた
日本語 → 英語(まず一つの意味)
というふうに、ステップを細分化し、それを作業化し、タスクにしていく、仕組みを作ってくれる環境があるかどうか、それができる指導者がいるかどうか、ただそれだけです。
(自分でできればいいかもしれませんが、めっちゃハードルが高いです。だって、知らないことを「覚える」のに、その「知らないこと」を分解するなんて…私ならムリゲーって逃げます笑)
自分のための「覚えることリスト」を一緒に作ろう
仕事に例えるなら、プロジェクトを細分化し、タスク化し、順序を決め、作業マニュアルを整える。それをやってくれる人がいるかどうか。自分でできるかどうか。
いない?
じゃあ、もとのり先生と一緒に頑張ろうか。笑
「求められた内容」を「明確にして」、「再現できるようにする」ことが「覚える」こと
…と、私と一緒にやるかどうかというのはひとまず横に置いといて、
覚える
というのは
求められた内容を再現することができるようにすること
です。
そろそろ耳にタコができてきたらいい感じです。
勉強であれば、通常どういうテスト形式で、何を覚えればよいかある程度明確ですので、「再現できるようになること」ができたら「覚えられた」と言える、とはっきりゴールを決めることで、「覚える」のが少し気楽になるかもしれません。
でも、覚えたことは忘れちゃう…
でも、覚えたことってすぐ忘れちゃうよね…というのについては、また今度お話ししますね。
最後までお付き合いありがとうございました。